東京文化財研究所 > データベース・資料 > 国宝 絹本著色十一面観音像 奈良国立博物館所蔵

奈良国立博物館・東京文化財研究所共同研究成果報告
《国宝 絹本著色十一面観音像》


基礎データ
画像
蛍光X線分析
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頭上面(図27~30)

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図版
図27 カラー画像
Color image
図版
図28 X線透過画像
X-ray image
図版
図29 反射近赤外線画像
near infrared image, lit from front
図版
図30 透過近赤外線画像
near infrared image, lit from behind

図版1、3参照
 本図は頭上面の一部を捉えている。図版28における頭上面の記録濃度は、図版27の見えと同等で、ほぼ同一であると評価できるが、蛍光X線分析の結果(蛍光X線分析結果78、79参照)では、左上の頭上面は額と鼻先附近で検出された元素に違いがあり画像から示された結果と一致しない。図版29では描起し線は異なる描線(下描き線など)などを多く捉えている。図版30と28を比較すると、図版30の透過近赤外線を用いて取得した画像では、左上に画かれた頭上面は額の一部を除いて形状が確認されない。この頭上面は他の頭上面に見られる描線(下描き線)が図版29、30の画像からも確認できない。他の部位やさまざまな検証の結果として、この頭上面は頭光の上に塗り重ねられたことが推測される。
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