図版8参照
本図は本像の右手先(与願印)を中心に捉えている。図版46では、手の甲や指先の輪郭部分に約1mmのずれが見られる。図版43、44で、このずれの部位を対照させると、周縁部の赤色の線と位置関係が一致することがわかる。図版46の画面右上部には、立涌文が不鮮明ではあるが淡灰色の線として確認でき、これは立涌文部分で近赤外線が透過していることを示している。図版43のカラー画像からも確認されるように立涌文は金色に見えるが、この近赤外線画像を考慮すれば、金色という色みと金という材質との関係性については再考の余地がある。